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INTERVIEW インタビュー

(03-04)

レジェンド声優にこれだけは聞いておきたい!

(2023.06.23)
第三回
羽佐間道夫さんvol.3 アニメ、山寺宏一、ナレーションの本質

アニメ、情報番組、寄席、屋台。
エンターテインメントに通底するナレーション=語りの真髄とは。

アニメファンの存在を実感した『銀河英雄伝説』

諏訪道彦さん(以下、諏訪) : これまでの記事では、レジェンド声優・羽佐間道夫さんが役者になられるまでのことや、ラジオドラマや海外ドラマ等の吹替で声優としてのお仕事を始められた頃のお話を伺いました。今回はいよいよ、アニメやナレーションに関するお仕事についてお聞きしたいと思います。
羽佐間さんは国産TVアニメシリーズ第1号と言われる『鉄腕アトム』からご出演されており、その後数々のアニメにて声をあてられていますが、中でも特に印象深い作品といえば何でしょうか?

羽佐間道夫さん(以下、羽佐間) : 『銀河英雄伝説』でやった(ワルター・フォン・)シェーンコップという役が特に印象深いですね。確かにそれまで『アトム』などもやってはいたのですが、登場シーンがほんの僅かな役が主だったので、本作は特に記憶に残っています。

諏訪 : 最近リメイク版が公開されていますが、その前の80年代末から始まった石黒昇監督版の方の『銀河英雄伝説』ですね。OVA(オリジナル・ビデオ・アニメーション)で1本1話30分を1期だけで26本リリース、最終的には100本以上にもなった長期シリーズでしたね。

羽佐間 : そう、石黒監督の。アニメのレギュラーとしては他に『巨人の星』で速水(譲次)って役もやってましたし、他にもちょこちょこありましたけども、本格的にという意味ではやっぱり『銀河英雄伝説』かな。他にはあまりないかなあ……僕の声、あんまりアニメ向きじゃないんじゃない? お風呂の中のオナラみたいな声だからね(笑)。

諏訪 : そんなことないでしょう(笑)。ところで、シェーンコップという役や『銀河英雄伝説』が特に印象に残っているのは、どういう理由からなんでしょうか?

羽佐間 : あのね、収録している最中はそうでもなかったんですが、後ほどになってからなんですよ。収録してしばらく後、早稲田大学に講演か何かに行った時に、女学生から「シェーンコップ見てます!」と言われたんです。言われた自分の方がびっくりしましたね。僕の演技というよりは、シェーンコップという絵、キャラクターに人気があったんですね。制作側からも今でもシェーンコップとしてのコメントを求められたりしています。僕はかつての石黒版にしか出ていないのですが(笑)。
原作の田中芳樹さんともお話をしたことがあります。2時間か3時間かかった対談だったんですが、ものすごいんですよ、宇宙観からして全然違うんだよ(笑)。言ってることがよく分からない。けど、対談自体は面白かった。わけが分からないことそのものが面白かったな。

『赤毛のアン』での高畑監督のたった一つの演技ディレクション

諏訪 : 羽佐間さんがアニメのファンという存在を強く意識されたのが、シェーンコップという役だったんですね。

羽佐間 : 初めてでしたね。ただし、その前の『赤毛のアン』の時は、ファンレターが随分来ましたよ。

諏訪 : 『アルプスの少女ハイジ』や『母をたずねて三千里』と同じ、日本アニメーションの名作劇場シリーズの作品ですね。

羽佐間 : そう。確か、宮崎監督も(スタッフとして)後ろにいたと思います。その作品で、高畑さんに「ナレーションやってみる?」と言われてナレーターに選抜されて、一年間ナレーションを担当させていただきました。で、そのファンレターというのは、つまり「今のナレーション、いい!」というお手紙だったんです。

諏訪 : ナレーションにファンレターが来たんですか、それはすごいことですね。

羽佐間 : これもまた、お風呂の中のオナラみたいな声だったんだけどね。当たり障りがなくてよかったんじゃないですかね(笑)。

諏訪 : またまた……『赤毛のアン』のナレーションではどういった点を意識して演技をされたんでしょうか? もしくは、高畑監督は羽佐間さんにどういったナレーションを期待して人選されたんでしょう?

羽佐間 : 高畑さんは「演技的なことはしないで。普通に喋って」って。他は一切、何にも言わなかった。一切何もないから、自分の演技がいいのか悪いのか、分からなくて困っちゃったよ(笑)。

諏訪 : NGとかも一切なく?

羽佐間 : 「そこの音程をもうちょっと持ち上げて」とか、そんなことを言われることは一切なかったですね。

諏訪 : 羽佐間さんは実写映画の分野で実績のある方なわけですから、そういうリアリティのある声を求められていたのかもしれませんね。

羽佐間 : 普通のおじさんがそこに座って紙芝居でもやっているようなナレーションですよね。当然、抑揚は少なくなりますよね。マイクの前に仁王立ちになって「山があってさァ!」みたいな大仰な感じではなく、「山があってね」「そこへアンがやってきました」という静かな感じですね。画面を介して見ている人と会話をするように、とも言えますでしょうか。

諏訪 : 語りかけることで作品世界全体を見ている人にお届けする、まさに語り手としてのナレーションですね。

情報番組に求められるナレーターの様々な能力

羽佐間 : アニメではありませんが、その後に「逆に抑揚をつけたらどうだろう?」と思って取り組んだ『追跡』という情報番組もありました。その後東京都知事になる青島(幸男)さんが司会で一緒にやっていたんですが、そっちのナレーションではもう、飛んだり跳ねたり(笑)。臨場感を出すために抑揚をつけてやってました。ある意味『アン』の反動ですね(笑)。

諏訪 : それは今、夕方の番組『news every』でやられているナレーションの方向性でもありますよね。

羽佐間 : まずいな、ばれちゃったか(笑)。実は、番組スタッフが『追跡』と同じスタッフなんですよ。

諏訪 : なるほど、そういうことだったんですね……余談ですが、実は僕と本サイト館長の植田さんとでやっていた『シティーハンター』というアニメ番組が、元々月曜7時からの放送だったんですよ。ですが平日月~金の7時スタートの『追跡』が始まることになって、月夜の枠がぶつかっちゃって。

羽佐間 : なんだ、恨みの取材だったのか、これ!(笑)

諏訪 : いやいや! 『シティーハンター2』から曜日を変えてやることになったので全然いいんです!(笑)けど、そういったご縁もあったので、『追跡』は注目して見ていました。青島さんと高見知佳さんの司会で、「こんな豪華な番組、毎日30分、帯でやるんだ……」と圧倒されていましたね。

羽佐間 : そうそう、高見さんね。他にも『スーパーテレビ情報最前線』という番組もあって、ジャーナリスティックな内容をナレーションするにはどうすればいいんだろう? と考えていたこともありましたね。やはりそういう報道やニュースに近いテイストの番組であれば、『追跡』のような派手な抑揚をつけない方がいいな、とかね。

諏訪 : やはりご自身で番組の特性などを考えて「次はこういうスタイルでいこう」と調整されたりするものなんですね。

羽佐間 : まあ『スーパーテレビ』のプロデューサーがそういった部分にあんまり考えのない人たちばっかりだったということもあるんですが(笑)。

諏訪 : えー、あのー……同じプロデューサーの身としては答えにくいと言いますか、上手い切り返しが出てこないですが……

羽佐間 : (笑)。『スーパーテレビ』にはいろんなエピソードがありますね。松本潤さんという構成作家の方がいるんですが、この方が実にいいナレーションを書くんですよ。たとえば、その前に美空ひばりの番組をやった時のことですが、彼女が舞台から出てくる映像に「苦しい、苦しい、けれどこの道を真っ直ぐに……」とかナレーションがついてるわけ。そんなこと本当は誰も言ってねえだろ!(笑)という話なんですが、そういうナレーションをつけちゃうんだよね。

諏訪 : 言われてみれば「本当に苦しかったの?」と思いますが(笑)番組を見ている人が受ける臨場感といいますか、心の距離は縮まりますよね。そういうナレーションを書かれる作家さんなんですね。

羽佐間 : そう。その方と2人で「ここはこうじゃない?」「ここはこうだろう」とか言い合いながらナレーションを作り上げていました。
やがて、ダイアナ妃が交通事故で亡くなるという大事件が起きる。それは日曜日のことだったんですが、その時僕は友達と一緒に軽井沢にゴルフしに行ってたんです。そこへ電話がかかってきて「すぐ戻ってこい、月曜までにダイアナ妃の台本を作る」と。番組は次の日の月曜9時放送でしたから、日テレの制作部の連中が寄ってたかって作って局中大わらわ。翌日9時に放送したんですが、1ロール目を放送している間に、まだ3ロール目のナレーションを作ってるんです。臨場感あふれる土壇場の現場、そういうものに立ち会えました。

諏訪 : 題材が題材なだけに無邪気に楽しむことは憚られますが、非常にスリリングですね。関係者のパッションが満ち溢れていて、すごい。それに、ナレーターである羽佐間さんが、構成作家の方やプロデューサーなど番組の作り手と一緒に番組作りをされていたんですね。

羽佐間 : 僕はその時から「スタッフと一緒」という考え方なんです。「ナレーターは寝ないと舌が回らなくなるから!」と言われたりもしながら、それでもなるべくずーっと一緒にああでもないこうでもないってやってね。だから番組作りをされているみなさんと一緒に修羅場みたいな現場を通ってきたことは事実ですね。

”名優・山寺宏一”との出会い

諏訪 : 羽佐間さんは現在もバラエティや映画の吹替などを中心にバンバンご活躍されていますよね。

羽佐間 : どういうわけかね(笑)。今度もまたディズニーで『マーダーズ・イン・ビルディング』って番組がDisney+ で始まったんですけども、キャスティングを山寺(宏一)がやっていて、主演の三人トリオが僕と山寺と林原さんなんだよね。ディズニーは元々吹替版は作るつもりはなかったらしいんだけど、テンポの速い作品だから文字を入れるだけでは見にくいだろうと思ったのか、山寺が吹替版の制作を提案して、それでキャスティングもすることになったらしいんだよね。ディズニーもびっくりしたと思うよ。「高ぇのばかり選んできやがって」ってね(笑)。

諏訪 : お三方に加えて戸田恵子さんも参加されているそうで、豪華な顔ぶれにそれはびっくりしたでしょうね(笑)。先日、羽佐間さんが立ち上げた、声優による無声映画の吹替ショー「声優口演」も拝見しましたが、そこでも山寺さんは羽佐間さんと並ぶ出演者の柱として活躍されていましたね。

羽佐間 : 声優口演はもう、彼がいなかったらやれていませんね。この前もコロナの影響で直前までやれるかやれないかというところだったんですが、プロデューサーをやってるうちの息子が朝から晩まで「もし山ちゃんがコロナにかかったらどうしよう」って、そればっかり言ってるんですよ。親父の心配じゃなくて「山ちゃんがいなくなったらどうしよう」なんだよ(笑)。

諏訪 : (笑)。まあ確かに、二作品あるうちの一つは山寺さん一人が全部演じるワンマンショーでしたもんね。

羽佐間 : だからもう、あの人がいないと困っちゃうってくらいの存在だよね。

諏訪 : そんな山寺さんと羽佐間さんとの出会いはどういうものだったのでしょう?

羽佐間 : 山寺はね、仙台から東京に出てきた頃、食い物屋の出前をやってたんですよ。で、僕が俳協の中に建てたTACCS1179(タックスイチイチナナキュウ)という小さな劇場が下落合にあって、ある日そこに来たらしいんです。僕はその時その場にはいなかったんだけど、彼が言うには「ここ、養成所あるんですか」「えっ、羽佐間さんがここにいるんですか?」「じゃあ羽佐間さんに教えてもらえるんですか?」「じゃあ入ろ」ということで、俳協養成所に入ったんだそうです。
ところが、僕は講義なんてものはできないもんですから、結局彼が卒業するまで1回も講義に出たことはないし、教えたこともない(笑)。

諏訪 : (笑)。

羽佐間 : でも最初の入所試験の時、彼が試験会場に入ってきた瞬間に「この子は絶対取ろう」と思いましたよ。何がすごかったかというと、声がよかった。稽古場の向こうまでピューッと届く声。「これだ!」と思って一番最初にマルをつけましたね。あと、その後しばらくしてですが、赤塚不二夫にも会わせましたね。

諏訪 : 赤塚不二夫というと、あの『天才バカボン』や『おそ松くん』の、漫画家の大先生の?

羽佐間 : 大先生だね。デタラメな先生だけどね(笑)。稽古場の裏に赤塚不二夫が住んでて、僕は彼と仲が良かったんですよ。それで、何かのきっかけで彼のところへ山寺を連れて行ったんです。そしたら赤塚さんが山寺の顔をじーっと見て「面白いねえ……」と言うんですよ。何が? と聞いたら「顔が」って(笑)。

諏訪 : アハハ(笑)。若い頃から山寺さんを目にかけていらっしゃったんですね。僕と山寺さんとの接点としては、僕が手掛けた2作目のアニメの『ボスコアドベンチャー』というTVシリーズがあって、それが山寺宏一さんと皆口裕子さんがレギュラーデビューした作品なんです。その次が『シティーハンター』で。

羽佐間 : ああー、そうなの。

諏訪 : 『シティーハンター』では山寺さんは、神谷(明)さん演じる冴羽獠に、茶風林さんと共に毎回撃ち殺される犯人Aとか殺し屋とかの役でした。

羽佐間 : (笑)。

諏訪 : 四谷のスタジオで収録して、終わったら飲みに行くんですが、そこでやる郷ひろみのモノマネがやたら上手いんです。日本アニメーションのプロデューサーが「そういうのは器用貧乏って言うんだよ!」って言うくらい上手かった。器用貧乏なんて言われる声優はなかなかいないですよね。

羽佐間 : 器用貧乏ね……あんまり器用にいろいろやり過ぎちゃって自分が何をやっているのか分からなくなっちゃう、確かにそういう面もあります。脚本家の三谷幸喜に言われたそうですよ、「どうして演技をするのに口からやるんだ」って。

諏訪 : そういう意味では羽佐間さんも様々な役を喜怒哀楽変幻自在に演じられるタイプの方だと思うのですが、それを後継しているのが山寺さんだ、という風にも言われているようですね。

羽佐間 : それは大変光栄なことですけども、ただ、僕は彼みたいに勉強してないですからね。彼の勉強量はとにかくすごいから。自分が明日やる仕事をどのように演じるか、そればっかり考えてます。自分のプライベートのことなんか振り返ってる暇はないんじゃないかな? アーティストですよ、彼は。

ナレーションとは「目の前の人に語りかけること」

諏訪 : そんな山寺さんのような後輩を迎えつつ、ご自身が業界を率先して面白いことをやっていらっしゃる。それが羽佐間さんだと思うんですけども。この前の再編集版の『ロッキー4』の動画(https://www.youtube.com/shorts/I53O4IG5TXg)も最高でしたね。

羽佐間 : この歳になったら、昔のタイトルがまたいっぱい出てきちゃうんですよね。『ロッキー4』もそうだし、先日TV放送された『ひまわり』のHDレストア版もね。

諏訪 : 第二次大戦後のウクライナを舞台とした映画ですよね。今まさに再注目されている作品『ひまわり』ですが、羽佐間さんが1976年TBS「月曜ロードショー」での放送時に主演の吹替をされていますね。

羽佐間 : そう。「ウクライナの件があったからもう1回吹替版を作りたい、だから羽佐間さん、もう1回やってください」って言うんですよ。「ちょっと待ってください、無理でしょ。だって僕が当時収録したのはもう50年近くも前ですよ?」って固辞したんだけど「みんなで相談したんです、他にいないからやってください」って。それでやったはやったんだけど、やっぱり年には勝てないね。もっと若い声を出したかったんだけど……

諏訪 : 羽佐間さんとしては無念といますか、それに近い思いがあったんでしょうか。

羽佐間 : そりゃそうですよ。『ロッキー』だって36年前ですから。それを当時と同じようにエイドリアンやってください、というわけですからね。やはり年を取ればそれだけ表現できなくなる部分というものがあります。まあ、懐メロブームといいますか、今の「過去の名作リバイバル」的な流れにぶつかっちゃったのが一番の不幸と言えば不幸ですよね。

諏訪 : それは羽佐間さんが今に至るまでキャリアを積み上げてきたからこそのことだと思いますよ。ですが、そうですね、同じ人なんだから同じような声でやれるだろうって思っちゃうものなんですかね。

羽佐間 : そうなのかな。この前の別の作品の収録でも「優しくて、そして、ふくよかな感じで」って。どうすりゃいいんだ?(笑)どうしたら優しくなれるのかなと思って、犬を撫でたりしてみたよ。

諏訪 : わはは(笑)。僕は羽佐間さんの声やナレーションは聞いててハッピーになりますけどね。

羽佐間 : そうですか?

諏訪 : ええ。基本的にこちらを応援してくれるじゃないですか、羽佐間さんの声って。

羽佐間 : ああ……嬉しいですね、ありがとう。あのね、僕、ナレーションをやるときはいつも関係者に「僕はナレーターとして番組の紹介はするんだけれども、話しているときは視聴者に向かって話してるからね」と言うんです。「どう? お母さん」「あ、そろそろコマーシャル見てもらわなきゃな!」といった感じで語りかけるというのが、その手の番組での僕のスタンスというか、僕がやろうとしていることなんです。

諏訪 : 羽佐間さんのナレーション術というのはその、聞いている人との距離感にあるんでしょうか。

羽佐間 : そうだね、距離感であると同時に、寄席芸だね。寄席芸というのは結局、目の前にいる聴衆に向かってやってるわけじゃないですか。それを僕の仕事に置き換えれば、TVを介して見ている人に向けて手が伸ばせるようなナレーションとはどういうものだろう? ということだよね。

諏訪 : 本インタビューのvol.1で、舞台の上からお客さんをいじりに行った三平さんのお話がありましたが、それをブラウン管を介してやっているのが羽佐間さんなのかもしれませんね。

羽佐間 : そういったものを僕はどこで拾ってきたんだろう? と思うと、どうも浅草辺りの屋台で見た的屋とか叩き売りにも影響を受けているようなんですよね。「はいこのシャツ! 今10円って言うから、言ったらすぐ『買った!』って言えよッ!」とかね(笑)。

諏訪 : お客さんを巻き込んで、さらに自分のトークに使っちゃうんですね(笑)。

羽佐間 : 「買った人な、これは悪いけども洗っちゃあダメ。洗っちゃったら、ボタンしか残らない」とか(笑)。そういう面白いことを言う的屋がいたんですよ。そういうことを随分あちこち見て回りましたね。

諏訪 : そういったところからも話し方、語り方の勉強をされてるんですね。

羽佐間 : 小沢昭一さんが日本中のあらゆる地方の大道芸を集めて収録したLP・ドキュメント「日本の放浪芸」があるんですが、聞き取るのも難しいような地方の方言での語りまで全部収録してある。あれは僕のバイブルです。

諏訪 : 小沢昭一さんといえば、TBSラジオの『小沢昭一の小沢昭一的こころ』を中学高校の頃、いつも楽しく聞いていました。

羽佐間 : 面白いでしょ? あれはもう、神様。ラジオはもうこれだけでいい、っていうくらい。喋っててちっともいやらしくないし、いやらしいことを言ってもいやらしくない。品性が心の中のどこかに置いてある。インテリなんだよね。

諏訪 : そういったインテリジェンスは羽佐間さんからも感じますよ。 今回はアニメやナレーションのお話を通じて、羽佐間さんが様々なところから得ている学びについて教えていただきました。次回は、声優の後輩たちや今のアニメ業界について、羽佐間さんからのメッセージをいただこうと思います。

(vol.4へつづく)

取材・文:諏訪道彦
取材・構成:いしじまえいわ
撮影:成田剛

INTERVIEW インタビュー

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レジェンド声優にこれだけは聞いておきたい!

聞き手:諏訪道彦
取材・構成:いしじまえいわ
撮影:成田剛(UNAP)

アニメ『名探偵コナン』『シティーハンター』等の名プロデューサー諏訪道彦がインタビュアーとなりレジェンド声優の方から若い声優やアニメ関係者へ向けてのメッセージを届けます。
TVシリーズアニメーション『シティーハンター』や『犬夜叉』で、人生の苦楽?を共にしてきた先輩・植田益朗さんが、また何か大きなコトをやらかそうとしています。出会って36年、植田さんのとにかく前を向いて行っちゃおう思考の企画ブルドーザー手腕には、いつも目を覚まさせられる驚きを受けています。そしてまた今回もそれがやってきました。おそらく完成形は途方もないサイトになるでしょうが、まずはスタートにあたり、その行先を一緒に見つめていきたいと思います!
諏訪道彦(アニメ企画プロデューサー)

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